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【from Editor】報道写真の持つ魅力(産経新聞)

 先月、東京都中央区の日本橋三越本店で開催された「第50回2009年報道写真展」には10日間で約5万人が来場してにぎわった。

 新聞各紙を飾った約280点のニュース写真を中心に、スポーツや連載・企画で掲載された写真がパネル展示され、新聞紙面とは違った迫力で来場者に写真の持つ力を訴えていた。今回の写真展では、天皇陛下ご即位20周年を記念して「皇室コーナー」が特設され、両陛下がオープニングに来場され、例年以上に注目が集まった。毎年この時期を楽しみにしているファンも増えている。

 写真展を主催するのは新聞・通信・放送34社が加盟する東京写真記者協会で、現在606人のスタッフカメラマンが所属している。

 彼らは国内外のニュースを読者により早く、正確に伝えるため、現場で常にしのぎを削り合っている。それと同時に、年末に開催される1年を振り返る写真展に、自分の撮った写真が「作品」として展示されることも大きな目標といえるかもしれない。年間1万2千点の応募作品のうち、選ばれるのはほんのひと握り。約60倍の狭き門をくぐり抜けた「プロ中のプロ」の写真として飾られるからだ。その中から、より優れた作品には写真記者協会賞のほか、ニュース、企画、スポーツの各部門賞などが与えられる。

 昨年、報道展実行委員の一人として写真選考に初めて参加し、各紙を飾ったえりすぐりの写真をじっくり見る機会に恵まれた。選考に関しては、ライバル社の垣根はなく、公平な目で月ごとのベストショットを選んでいく。その選考過程で感じたのは、一瞬の表情や動き、現場の臨場感をそのままストレートに伝える写真は迫力があり、報道写真の原点ではあるが、ニュースの裏側に潜む問題点をじっくり掘り下げて考え、表現した写真が各紙とも増えてきたことだ。デジタルカメラの普及で誰もが簡単に写真を撮れる時代になった今、メッセージ性の強い企画力や斬新な写真表現がこれからの新聞写真に求められるのだろう。

 報道写真の持つ魅力は、まだまだ捨てたものではないという気持ちを新たにした。

                   ◇

 「2009年報道写真展」は9日から、横浜市中区の日本新聞博物館(TEL045・661・2040)で再び開かれています。3月22日までです。ご都合がつけば、一度、ごらんになっていただきたいと思うのですが…。(写真報道局部次長 大井田裕)

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